薬剤師でも叶った!在宅フリーランスという働き方
コロナ禍を経て、世間では在宅ワークが一気に広まりました。一方で、薬剤師は今も「病院や薬局に出勤して働くのが当たり前」と考えがちです。
ママになり、子どもの予定や急な体調不良に対応できるよう在宅で働きたい……でも薬剤師には難しい。
そんなふうに感じている人も少なくないのではないでしょうか。
私もかつてはまさに、そう思っていました。しかし、薬剤師の資格や経験を活かしながら在宅フリーランスとして働くことは可能です。実際にそうした働き方をしている薬剤師は一定数いますし、私自身もここ数年で実現させてきました。
この記事では、薬剤師が在宅でできる仕事の方法をご紹介します。

「資格を活かしつつ、時間や場所に縛られない働き方をしたい」と考えている人は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
薬剤師で在宅フリーランスを目指した理由
私が在宅フリーランスについて真剣に考え始めたのは、母になり、大切な存在が増えたことがきっかけです。
私は新卒で大学病院に就職したあと、調剤薬局に転職し、子どもを出産して専業主婦になりました。
資格を持っているから復帰はいつでもできる、今は子どもとの時間を大切にしようと思っていたものの、数年間のブランクやコロナ禍の影響で、病院や薬局の現場に戻るハードルは想像以上に高く感じられました。
子どもが幼稚園に通い始めたことで時間ができたとはいえ、1日4〜5時間ほど。買い物や家事をしていると、空き時間は決して多くありません。さらに夏休みなどの長期休み中や体調不良時の問題もありました。
我が子たちはまだ幼稚園児ですが、「小1の壁」という言葉にも怯えていました。

長期休みは子ども優先で過ごし、体調不良のときには家にいてあげられて、子どもが小学生になったときには「おかえり」と迎えてあげられるような働き方ーーそれが今も変わらず私の理想です。
私が挑戦した在宅ワークの2つの方法
在宅フリーランスを志して2年弱のうちに、オンライン漢方相談と医療ライターの2つに挑戦しました。
ひとつずつ詳しく説明したいと思います。
オンライン漢方相談
オンライン漢方相談とは、漢方に関する悩みや体質についての相談をオンライン上で行うサービスのことです。
従来は漢方薬局に足を運び、不調や体質に合わせて漢方薬を提案してもらうのが一般的でしたが、最近では利便性の高さからオンラインで完結する方法も人気を集めています。
ただし漢方には独自の理論や概念があるため、薬剤師である私も、まず漢方について猛勉強しました。
さらに、相談者がいなければサービスは成り立ちません。

私はInstagramで情報発信を行い、認知度や信頼を少しずつ積み重ねながら集客につなげていきました。
相談者さんは私と同じように子育て中のママが多く、悩みに共感しながら体質に合ったアドバイスを行うのが大きなやりがいでした。
医療ライター
医療ライターとは、健康や医療に関する情報を、一般の人にもわかりやすく伝える文章で執筆する仕事です。おもにWebメディアに掲載される記事を執筆します。
医療記事は、間違った情報を広めてしまうと人々の健康や命に関わる可能性があります。

そのため、論文やガイドラインなどを確認し、正確な情報を集めるリサーチ力が欠かせません。
求められる専門性の高さゆえに一般的なWebライターよりも単価が高く設定されやすいことと、納期さえ守れば作業時間を自分で自由に調整できることが魅力でした。
在宅フリーランスのメリットとデメリット
薬剤師が在宅フリーランスとして働く場合、時間や場所にとらわれない自由な働き方ができる一方で注意すべき点もあります。
私が実際に感じたメリットとデメリットを整理してご紹介します。
| メリット | デメリット |
| ・時間や場所に縛られない ・通勤が不要で、子どもの都合に合わせて動きやすい ・ブランクや転居があってもキャリアを継続できる ・やりたい仕事を組み合わせ、自分のペースで進められる ・家族との時間を優先できる | ・収入が安定しにくい ・社会保障や福利厚生がない ・時間の使い方やモチベーション維持など自己管理が必須 ・自宅で仕事するためオンオフの切り替えが難しい ・一人で作業することが多く、孤独を感じやすい |
実際の1日のスケジュール
在宅フリーランスが未知の方にとっては、「1日どんな流れで過ごしているの?」「子育てしながらどのくらい仕事できるの?」と気になるかもしれません。

あくまで一例ですが、私の平日と休日のおおまかなスケジュールをご紹介します。
平日のスケジュール
6:15 起床
子どもたちのお弁当作り、朝ごはん準備
7:15 家族で朝ごはん
7:45 後片付け、自分の身支度、子どもたちの登園準備
8:30 子どもたちの送り→スーパーで買い物をして帰宅、洗濯や掃除など
10:00 仕事開始(頭が冴えてる午前中のうちにガッツリやります!)
12:00 お昼ごはん、夜ごはんの下準備
13:00 仕事(午前中の残りや簡単な作業を進めます!)
13:45 子どもたちお迎え
〜習い事付き添い、家事などしつつママ時間
(仕事の急ぎの返事などがあれば対応することもあります)
17:00 お風呂、夜ごはん、寝かしつけ諸々
20:00 後片付けしつつ休憩(子どもと寝落ちしちゃってることも多いです)
21:00 仕事再開(夜はダラダラしがち……)
23:00 就寝
休日のスケジュール
7:00 起床
7:45 家族で朝ごはん
〜出かけたり、おうちで子どもたちと遊びながらゆるゆる過ごしたり……
17:00 お風呂、夜ごはん、寝かしつけ諸々
20:30 仕事(日中にほぼできない分、夜が勝負!)
23:00 就寝
薬剤師だからこそ広がるフリーランスの可能性
薬剤師として培ってきた専門性は、フリーランスという働き方において大きな強みです。
ライターとして医療情報をわかりやすく発信したり、講師としてセミナーや講座を開催したり、デザインやSNS発信を通じて情報を届けたりと、仕事の幅は多岐にわたります。
なかには商品開発に携わり、自分の知識を形にする道もあります。

資格や専門知識があるからこそ、さまざまな可能性が開けていると言えるでしょう。
迷うなら、挑戦してみよう
在宅フリーランスは、自由な働き方ができる一方で、収入の不安定さや自己管理の大変さなど注意すべき点もあります。しかし、薬剤師としての専門性や資格があるからこそ、在宅でも仕事の幅を広げられます。
子育てやライフスタイルに合わせて働き方を調整できるのは大きなメリットです。

「自分には無理かも」と感じるかもしれませんが、まずは小さな一歩から挑戦してみましょう。
私もこれまで、順風満帆に進んできたわけではありません。さまざまな壁にぶつかりながら試行錯誤してきました。それでも、諦めなければ道は開けてきます。勇気を出して踏み出したその一歩が無駄になることはありません。
一度きりの人生、家族との時間もやりがいのある仕事も、どちらも手に入れてみませんか?
